中性脂肪のリスクを探る

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あなたは、以下の医療関係者に
当てはまりますか?

SPPARMα パルモディアの製品情報

Q and Aは、医療従事者からのよくある質問とその回答をまとめた情報提供サイトです。

本サイトに記載されている情報は、製品の適正使用にあたって参考となる情報の提供を目的としているものです。 第三者への公開(学会発表、書籍や雑誌への投稿、Webサイトへの掲載等)はお控えください。
本回答は全てのケースに当てはまるものではありません。そのため、参考情報としてご利用いただき、回答の内容を利用して生じた結果については、 責任を負いかねますので、ご了承ください。

製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。
その他、ご不明な点がございましたら、弊社担当MRまでお問い合わせください。

Q and Aのご利用にあたり、上記の注意事項をお守りください。

同意する

特徴・DI

Q

パルモディアの特徴について教えてください。

A
パルモディア錠(即放性製剤)

①PPARαの標的遺伝子の発現を選択的に調節することにより作用を示す高脂血症治療剤です。
・SPPARMα(選択的PPARαモジュレーター)として脂質代謝に関わる遺伝子の発現を調節しました。(in vitro、ラット)
・PPARαに対する高い選択性を示しました。(in vitro)
詳しくはこちらをご確認ください。

②優れたトリグリセライド(TG)低下作用を有し、HDL-コレステロール(HDL-C)増加作用を示しました。
該当する治験データはこちらをご確認ください。

③承認時までに実施された臨床試験において、1,418例中206例(14.5%)に副作用が認められました。
重大な副作用として横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。
主な副作用は胆石症20例(1.4%)、糖尿病20例(1.4%)、CK(CPK)上昇12例(0.8%)等でした。(承認時)
該当する治験データはこちらをご確認ください。

【参考文献】
Fruchart JC. Cardiovasc Diabetol. 2013;12:82.
Sahebkar A, et al. Expert Opin Pharmacother. 2014;15(4):493-503.
Pawlak M, et al. J Hepatol. 2015;62(3):720-33.

パルモディアXR錠(徐放性製剤)

①選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)として脂質代謝に関わる遺伝子の発現を調節することにより作用を示す高脂血症治療剤であり、1日1回投与の徐放性製剤です。

②空腹時血清TGのベースラインからの変化率(12週投与時)で、ペマフィブラート錠(即放性製剤)0.2mg/日に対し、パルモディアXR錠0.2mg/日及び0.4mg/日が非劣性であることが検証され、パルモディアXR錠0.4mg/日がパルモディアXR錠0.2mg/日の点推定値を下回っていることが確認されました。
該当する治験データはこちらをご確認ください。

③空腹時血清TGのベースラインからの変化率の平均値(52週投与時)で、統計学的に有意な低下が認められました(p<0.001;1標本t検定)。また、効果不十分例に対してパルモディアXR錠の開始用量0.2mg/日から治療期12週以降0.4mg/日に増量した結果、増量前と比較し、増量後に空腹時血清TGの有意な低下を認めました(p<0.001;1標本t検定)。
該当する治験データはこちらをご確認ください。 ※:名目上のp値

④承認時までに実施された臨床試験において、358例中33例(9.2%)に副作用が認められました。
重大な副作用として横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。
主な副作用はALT上昇、CK上昇、筋肉痛、発疹、糖尿病(悪化を含む)等でした。(承認時)
該当する治験データはこちらをご確認ください。

Q

用法・用量について教えてください。

A

パルモディア錠とパルモディアXR錠の承認された用法・用量の記載は以下の通りです。

6. 用法及び用量
【パルモディア錠(即放性製剤)】
通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大用量は1回0.2mgを1日2回までとする。
【パルモディアXR錠(徐放性製剤)】
通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。ただし、トリグリセライド高値の程度により、1回0.4mgを1日1回まで増量できる。

7. 用法及び用量に関連する注意
【パルモディア錠(即放性製剤)】
急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、投与にあたっては患者の腎機能を検査し、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の場合は、低用量からの投与開始、減量又は投与間隔の延長を行うこと。また、最大用量は1日0.2mgまでとする。[9.2.1、9.2.2、11.1.1、16.6.1 参照]
【パルモディアXR錠(徐放性製剤)】
急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、投与にあたっては患者の腎機能を検査し、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の場合は本剤投与の適否を慎重に判断し、投与する場合には本剤の用量は1回0.2mgを1日1回とすること。[9.2.1、9.2.2、11.1.1、16.6.1参照]

電子添文はこちらをご確認ください。
パルモディア錠 0.1mg
パルモディアXR錠 0.2mg・0.4mg

有効性

Q

スタチン併用時の効果について教えてください。

A

パルモディア錠(即放性製剤)の第Ⅲ相試験にてスタチン併用試験を行い、安全性と有効性を検討しました。
治療期24週時LOCF(Last observation carried forward)の空腹時血清TGのベースラインからの変化率は、プラセボ群-0.8%、パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日群-46.8%、パルモディア錠(即放性製剤)0.2(0.4)mg/日群-50.8%と有意に低下し、プラセボ群との差は有意でした。(主要評価項目)
また、副作用発現率はプラセボ群15.7%(17/108例)、パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日群19.3%(29/150例)、パルモディア錠(即放性製剤)0.2(0.4)mg/日群19.4%(32/165例)でした。

※0.2(0.4)mg/日群:8週時に空腹時血清TGが150mg/dL以上の場合、12週時より0.2mg/日から0.4mg/日に増量。

該当する治験時のデータはこちらをご確認ください。

安全性

副作用発現割合は次表のとおりであった。

プラセボ群 パルモディア錠(即放性製剤)
0.2mg/日群 0.2(0.4)mg/日群
15.7[9.4, 24.0](17/108) 19.3[13.3, 26.6](29/150) 19.4[13.7, 26.3](32/165)
発現割合(%)[95%信頼区間](発現例数/総症例数)

各群において2例以上に認められた副作用は、プラセボ群で便秘、発疹各2例1.9%、パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日群で胆石症、糖尿病(糖尿病の悪化)各3例2.0%、浮動性めまい、湿疹、高血圧各2例1.3%、パルモディア錠(即放性製剤)0.2(0.4)mg/日群で糖尿病(糖尿病の悪化)8例4.8%、血清フェリチン増加3例1.8%、血中CK(CPK)増加、血中甲状腺刺激ホルモン増加各2例1.2%であった。
重篤な副作用はプラセボ群で塞栓性脳卒中1例、パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日群で腹壁血腫1例、0.2(0.4)mg/日群で糖尿病(糖尿病の悪化)1例が認められた。副作用により投与中止に至った症例は14例であり、その内訳は重篤な副作用の3例のほか、プラセボ群で発疹が1例、パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日群で浮動性めまい、倦怠感、胆石症、湿疹各1例、0.2(0.4)mg/日群で発疹、じん麻疹(じん麻疹の悪化)、倦怠感、血中CK(CPK)増加/血中ミオグロビン増加、慢性気管支炎、血中フィブリノゲン減少各1例であった。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.2 腎機能障害患者
9.2.2 腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
【パルモディア錠(即放性製剤)】
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。[7.、10.2、11.1.1参照]
【パルモディアXR錠(徐放性製剤)】
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに本剤の投与を中止すること。[7.、10.2、11.1.1参照]

10. 相互作用(抜粋)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等)[9.2.2、11.1.1参照]

【参考文献】
興和(株)社内資料:第Ⅲ相HMG-CoA還元酵素阻害薬で治療中の患者を対象とした長期投与試験(承認時評価資料)

Q

長期投与による効果の減弱はありますか?

A
パルモディア錠(即放性製剤)

投与52週まで効果が持続しました。
第Ⅲ相試験にてTG高値を示す脂質異常症患者を対象とした長期投与試験(52週)を行い、安全性と有効性を検討しました。パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日(0.4mg/日に増量した29例を含む)群及びパルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日継続群において、治療期52週時LOCF (Last observation carried forward)の空腹時血清TGはベースラインからそれぞれ45.9%、46.9%有意に低下しました。また、パルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日(0.4mg/日に増量した29例を含む)群及びパルモディア錠(即放性製剤)0.2mg/日継続群において、治療期4週から52週までの各時点の空腹時血清TGはベースラインから有意に低下を示し、投与52週まで効果が持続しました。副作用発現率は31.7%(60/189例)でした。(主要評価項目)
該当する治験時のデータはこちらをご確認ください。

安全性

副作用発現割合は次表のとおりであった。

0.2mg/日(0.4mg/日に増量29例を含む)群 31.7[25.2, 38.9](60/189)
発現割合(%)[95%信頼区間](発現例数/総症例数)

パルモディア錠(即放性製剤)投与例全体で3.0%以上に認められた副作用は胆石症10例5.3%であった。
重篤な副作用は脳梗塞1例が認められた。副作用により投与中止に至った症例は7例であり、その内訳は胆石症2例、AST(GOT)増加/ALT(GPT)増加、慢性腎臓病(慢性腎不全の悪化)、薬疹、低比重リポ蛋白(LDL-C)増加/胆石症、糖尿病(糖尿病の悪化)各1例であった。

【参考文献】
興和(株)社内資料:第Ⅲ相TG高値を示す脂質異常症患者を対象とした長期投与試験(承認時評価資料)

パルモディアXR錠(徐放性製剤)

投与52週まで効果が持続しました。
第Ⅲ相試験にてTG高値を示す脂質異常症患者を対象とした長期投与試験(52週)を行い、安全性と有効性を検討しました。パルモディアXR錠0.2mg/日(0.4mg/日に増量した82例を含む)を投与したところ、最終評価時及びその直前の時点における空腹時血清TGのベースラインからの変化率の平均値は全例で-45.71%、朝投与群、夕投与群でそれぞれ-44.82%、-46.61%であり、いずれも統計学的に有意な低下を認めました(p<0.001;1標本t検定)(主要評価項目)また、治療期4週から52週までの各時点でパルモディアXR錠0.2mg/日(0.4mg/日に増量82例を含む)投与において、全例、朝投与群、夕投与群いずれにおいても空腹時血清TGはベースライン値から有意に低下し、治療期52週まで効果が持続しました。(副次評価項目)
該当する治験時のデータはこちらをご確認ください。

安全性
副作用発現割合は、全例で19.0%(23/121例)、朝投与群、夕投与群でそれぞれ18.0%(11/61例)、20.0%(12/60例)でした。全例で2例以上に認められた副作用は筋肉痛3例(夕投与群3例5.0%)、筋痙縮2例(朝投与群1例1.6%、夕投与群1例1.7%)、関節周囲炎2例(朝投与群1例1.6%、夕投与群1例1.7%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加2例(朝投与群1例1.6%、夕投与群1例1.7%)、発疹2例(朝投与群1例1.6%、夕投与群1例1.7%)、高血圧2例(朝投与群1例1.6%、夕投与群1例1.7%)でした。
重篤な副作用は不整脈1例(朝投与群)であり、投与中止に至った。その他投与中止に至った副作用は、4例であり、その内訳は筋肉痛、無力症/筋肉痛/異常感、湿疹、血中クレアチンホスホキナーゼ増加各1例(いずれも夕投与群)でした。

【参考文献】
興和(株)社内資料:徐放性製剤の第Ⅲ相長期投与試験(承認時評価資料)


警告・禁忌を含む注意事項等情報はこちらをご確認ください。
パルモディア錠 0.1mg
パルモディアXR錠 0.2mg・0.4mg

Q

パルモディアは家族性高脂血症への投与例はありますか?

A

治験の段階での投与経験はありますが、症例数が少なく、今後の検討が必要です。
家族性高脂血症患者のうち、特に、FCHL(家族性複合型高脂血症)及び家族性Ⅲ型高脂血症については、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版においてフィブラート系薬剤が薬物療法の選択肢として記載されています。

【参考文献】
日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.日本動脈硬化学会, 2022

安全性

Q

スタチンとの併用について教えてください。

A

2018年10月パルモディア錠の電子添文改訂により、腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者におけるスタチン併用についての注意喚起は、「原則禁忌」及び「原則併用禁忌」から「重要な基本的注意」及び「併用注意」の項に移行されました。なお、第Ⅲ相試験にてパルモディア錠(即放性製剤)とスタチンとの併用試験を行い、安全性と有効性を検討しました。副作用発現率はプラセボ群15.7%(17/108例)、パルモディア錠0.2mg/日群19.3%(29/150例)、パルモディア錠0.2(0.4)mg/日群19.4%(32/165例)でした。また、治療期24週時LOCF (Last observation carried forward)の空腹時血清TGのベースラインからの変化率は、プラセボ群-0.8%、パルモディア錠0.2mg/日群-46.8%、パルモディア錠0.2(0.4)mg/日群-50.8%と有意に低下し、プラセボ群との差は有意でした。(主要評価項目)

該当する治験時のデータはこちらをご確認ください。

安全性(詳細)
各群において2例以上に認められた副作用は、プラセボ群で便秘、発疹各2例1.9%、パルモディア錠0.2mg/日群で胆石症、糖尿病(糖尿病の悪化)各3例2.0%、浮動性めまい、湿疹、高血圧各2例1.3%、パルモディア錠0.2(0.4)mg/日群で糖尿病(糖尿病の悪化)8例4.8%、血清フェリチン増加3例1.8%、血中CK(CPK)増加、血中甲状腺刺激ホルモン増加各2例1.2%でした。
重篤な副作用はプラセボ群で塞栓性脳卒中1例、パルモディア錠0.2mg/日群で腹壁血腫1例、0.2(0.4)mg/日群で糖尿病(糖尿病の悪化)1例が認められました。副作用により投与中止に至った症例は14例であり、その内訳は重篤な副作用の3例のほか、プラセボ群で発疹が1例、パルモディア錠0.2mg/日群で浮動性めまい、倦怠感、胆石症、湿疹各1例、0.2(0.4)mg/日群で発疹、蕁麻疹(蕁麻疹の悪化)、倦怠感、血中CK(CPK)増加/ 血中ミオグロビン増加、慢性気管支炎、血中フィブリノゲン減少各1例でした。
禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご確認ください。

【参考文献】
興和(株)社内資料:第Ⅲ相HMG-CoA還元酵素阻害薬で治療中の患者を対象とした長期投与試験(承認時評価資料)

Q

脂質異常症治療薬を処方する際に注意すべき臨床検査値について教えてください。

A

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版では、薬物療法開始後は投与薬剤や患者背景を考慮して検査項目を選択し、半年間は2~3回程度、その後は3~6か月に1回程度、定期的な検査を行うことが推奨されています。



禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご確認ください。

【参考文献】
日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.日本動脈硬化学会, 2022

Q

横紋筋融解症の診断について教えてください。

A

横紋筋融解症は一般的に筋肉症状に加え、CK上昇およびミオグロビン上昇の3項目で診断されます。定期的に問診やCK値の測定を実施してください。



禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご確認ください。

【監修】
国立長寿医療研究センター 理事長 荒井 秀典先生

Q

横紋筋融解症の症状と対処法について教えてください。

A

【症状】
①全身の筋肉痛:横紋筋融解症やミオパチーでは、体のある一部分(例:右腕だけ)の筋肉痛ではなく、全身に筋肉痛が現れます。
②脱力感:力が入らず、荷物が持てないなどの症状が現れます。
【対処法】
原因薬剤を速やかに中止してください。初期において、腎機能がまだ障害されていない場合は輸液を積極的に行い、1時間尿量を100mL以上に保つなど腎保護をはかってください。ミオグロビンによる二次的な腎障害の予防・治療が重要です。急性腎不全が進行した場合には血液透析を行い回復を待ちますが、腎機能が不可逆的である場合もあります。腎障害に関しては、専門医の関与が必要と考えられます。

禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご確認ください。

【参考文献】
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル

Q

CKへの影響について教えてください。

A

パルモディア錠(即放性製剤)承認時までに行われた臨床試験の24週時併合解析(プラセボ298例、パルモディア錠1,363例)では、基準値上限の2.5倍以上の症例は、プラセボ6例2.0%、パルモディア錠26例1.9%、基準値上限の5倍以上の症例は、プラセボ1例0.3%、パルモディア錠6例0.4%、基準値上限10倍以上の症例は、プラセボ0%、パルモディア錠2例0.1%でした。※基準値上限: 男性270 IU/L、女性150 IU/L

【参考文献】
興和(株)社内資料:臨床試験 併合解析(承認時評価資料)

Q

妊婦・産婦・授乳婦への投与について教えてください。

A

パルモディア錠及びパルモディアXR錠電子添文における記載は下記の通りです。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご確認ください。

また、動物実験の結果は以下の通りです。
(1)動物実験(ラット、ウサギ)において生殖能並びに胚・胎児の発生に対する影響は認められませんでしたが、ラットを用いた試験において本剤3mg/kg/日以上で母動物の死亡が認められています。承認時までの国内臨床試験において、妊娠中の婦人への使用経験はなく、安全性は確立していません。
(2)動物実験(ラット)において乳汁中へ移行することが報告されています。また、授乳中のラット母動物への投与により出生児で体重の低値及び身体的発達の遅延傾向が認められています。承認時までの国内臨床試験において、授乳婦への使用経験はなく、安全性は確立していません。

詳しくはこちらをご確認ください。

【参考文献】
パルモディア錠インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
興和(株)社内資料:非臨床試験 毒性試験

Q

n-3系多価不飽和脂肪酸との併用は可能ですか?

A

併用は可能です。併用の際は、当該薬剤の電子添文をご確認ください。

薬物動態・薬物相互作用

Q

食事の影響は受けますか?

A

食事の影響は受けません。

健康成人男性にパルモディア錠0.1mgを空腹時及び食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは次の通りです。
空腹時投与では投与後1.50時間、食後投与では投与後1.75時間に血漿中濃度は最高値に達し、その後は速やかに消失しました。食事摂取により血漿中濃度の上昇は緩やかとなり最高濃度到達時間の遅延傾向が認められましたが、その程度は軽微でした。空腹時投与に対する食後投与のCmax及びAUC0-tの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、0.873[0.803, 0.950]及び0.911[0.863, 0.961]でした。

該当する治験時のデータはこちらをご確認ください。

【参考文献】
興和(株)社内資料:第Ⅲ相食事の影響試験

Q

薬物相互作用について教えてください。

A

薬物代謝酵素およびトランスポーターに対する作用、また、シクロスポリン、リファンピシン、クロピドグレル、クラリスロマイシン、フルコナゾール、ジゴキシン、ワルファリン、HMG-CoA還元酵素阻害薬との併用、および陰イオン交換樹脂の影響について検討しています。

薬物相互作用試験の結果についてはこちらをご確認ください。


警告・禁忌を含む注意事項等情報はこちらをご確認ください。

【参考文献】
興和(株)社内資料:非臨床試験 薬物動態試験
興和(株)社内資料:薬物相互作用試験①(海外)
興和(株)社内資料:薬物相互作用試験②(海外を含む)

Q

スタチンとの薬物相互作用について教えてください。

A

治験時にスタチン高用量との薬物相互作用試験を実施し、パルモディア、各種スタチンのCmax、AUC0-τの変動について検討しました。

該当する治験時のデータはこちらをご確認ください。

禁忌を含む使用上の注意等はこちらをご確認ください。

【参考文献】
興和(株)社内資料:薬物相互作用試験②(海外を含む)

Q

薬物動態について教えてください。

A
パルモディア錠(即放性製剤)/ パルモディアXR錠(徐放性製剤)

薬物動態に関わる指標は以下のように電子添文に記載されています。

・吸収
ペマフィブラートの絶対バイオアベイラビリティは61.5%であった。(外国人データ)

・血漿蛋白結合率
ペマフィブラートのヒト血漿蛋白結合率は99%以上であった。

・代謝
健康成人に14C-ペマフィブラートを単回経口投与したとき、主な血漿中代謝物はベンジル位酸化体及びジカルボン酸体のグルクロン酸抱合体とN-脱アルキル体の混合物であった。(外国人データ)
ペマフィブラートは、CYP2C8、CYP2C9、CYP3A4、CYP3A7、UGT1A1、UGT1A3及びUGT1A8の基質である(in vitro)。

・排泄
健康成人に14C-ペマフィブラートを単回経口投与したとき、投与216時間後までの尿及び糞中へ投与放射能の14.53%及び73.29%が排泄された。(外国人データ)
ペマフィブラートは、P-gp、BCRP、OATP1A2、OATP1B1、OATP1B3、OCT2及びNTCPの基質である(in vitro)。

【参考文献】
興和(株)社内資料:第Ⅰ相マスバランス試験(海外)(パルモディア錠0.1mg)
興和(株)社内資料:非臨床試験 薬物動態試験(パルモディア錠0.1mg)

その他

Q

飲み忘れた時の対処について教えてください。

A

【パルモディア錠(即放性製剤)及びパルモディアXR錠(徐放性製剤)】
気がついた時点で1回分を服用してください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合は、1回とばして、次の時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲まないで下さい。

【参考:くすりのしおり】
パルモディア錠(即放性製剤)
パルモディアXR錠0.2mg(徐放性製剤)
パルモディアXR錠0.4mg(徐放性製剤)

Q

一包化時の安定性について教えてください。

A
パルモディア錠(即放性製剤)

パルモディアの製剤上、一包化時の安定性に問題はありませんでした。
無包装状態で30℃、75%RHの条件で4ヵ月の安定性試験を実施しています。
試験項目に問題となる経時変化はなく、硬度の変化も取り扱い上、問題がないことも確認しています。
また、製剤の各種条件下における安定性は以下の通りです。

パルモディアXR錠(徐放性製剤)



なお、他剤と一包化した際の安定性についての詳細は、こちらにお問い合わせください。
興和株式会社くすり相談センター
TEL:0120-508-514 受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)

【参考】
パルモディア錠インタビューフォーム Ⅳ製剤に関する項目
パルモディアXR錠インタビューフォーム Ⅳ製剤に関する項目

Q

分割時の安定性について教えてください。

A
パルモディア錠(即放性製剤)

用法・用量をご確認のうえ、必要な際に分割をご検討ください。
25℃/83%RHの条件下、無包装、グラシン分包、セロポリ分包いずれも4ヶ月間規格内でした。

【参考】
パルモディア錠インタビューフォーム Ⅳ製剤に関する項目

パルモディアXR錠(徐放性製剤)

パルモディアXR錠は分割してお使いいただくことを想定した剤形ではありません。
また、用法・用量として分割での服用を想定していないため、分割した際の安定性に関する情報はありません。

Q

錠剤の大きさについて教えてください。

A
パルモディア錠(即放性製剤)

直径7.1mm、厚さ2.9mm、重量125mgです。

パルモディアXR錠(徐放性製剤)

パルモディアXR錠0.2mg:直径6.1mm、厚さ3.0mm、重量 85mg
パルモディアXR錠0.4mg:直径7.6mm、厚さ3.9mm、重量168mg